教科書の変化2教科書の変化

NIKKEI STYLE20170324より

日本最大級の前方後円墳は? 江戸幕府の直轄領は?
南北戦争時の米国の大統領は――。文部科学省が公表
した小中学校の新学習指導要領案で聖徳太子の表記が
話題となっているが、歴史の教科書は既に大きく変わって
いる。何がどう違うのか。30年前と現在の教科書を比べてみた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まず目に留まったのは冒頭にも触れた「日本最大級の前方後円
墳」だ。30年前の教科書にはどれも「仁徳天皇陵」とある。記者の
記憶も同じだ。だが最新の教科書を見ると、多くが「大仙古墳」ま
たは「大山古墳」となっている。東京書籍によると、宮内庁は「仁
徳天皇陵」としているものの、被葬者についての学術的な検証が
されていないため、古墳名の表記にしているという。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最新の教科書を見てみると、東京書籍では「1185年のほかにも
1183年に頼朝が東日本の支配権を朝廷に認められた時期や、
1192年に頼朝が征夷大将軍に任命された時期などを考える説
があります」と説明する。日本文教出版にも同様の記述があった。

1192年は頼朝が征夷大将軍に任命された年にすぎず、鎌倉幕府
は段階的に成立した、というのが正解なのだ。

ちなみに教科書によって表記が違う場合、受験など広域の試験で
はどう答えたらいいのか。「教科書に書いてあるならすべて正解で
す」(帝国書院)。8社中1社しか残っていない旧説であっても、教科
書に載っているなら正解というわけだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新旧の教科書を見比べたとき、最も大きく変わったと感じたのが江
戸時代だ。例えば幕府の直轄領のことを以前は「天領」と書いてい
たが、今は「幕府領」とするか「幕領」となっている。8社のうち唯一
「天領」の表記がある自由社も、「天領(幕領ともいう)」とするなど、
天領単独の表記は姿を消した。天領だと天皇の領地になってしまう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
教科書の変化でもう一つ驚いたのが、外国人の表記だ。30年前は
すべての教科書で「リンカーン」「ルーズベルト」だったのが、「リンカ
ン」「ローズベルト」と書く教科書が出てきたのだ。

いずれも中学用ではまだ少数派だが、高校用だと逆転する。日本史
Aや世界史Aでは、山川出版社など全社が「ローズヴェルト」と書い
ているのだ。現地読みに近づけた結果という。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

元記事はこちら
リンカン? ローズベルト? 大変わりする歴史教科書